04‘北九州ED選手権 第一戦   〜「試練を与える会」現る!の巻〜
たいちぇん記

「試練を与える会」とは・・・?

平成16年3月20日

 阿蘇オープンEDから2ヶ月が過ぎ季節は春になり歳をまたひとつ重ね、今年も北エンの参加案内がやってきた。
ワタシは竜さんとお正月の2日にファクトリーで会った時に
「北エンのチャンピョン獲ってね。」と叱咤激励を受けていたこともあり、自分自身の今年の目標として「北エンのエンジョイクラスの年間チャンプ」と「WONETシリーズAクラス入り」を目標に掲げた。しかしこれを聞きつけたある人物が(よく知っている人物だ。以下、会長と呼ぶ)
某掲示板にて
(たいちぇんくんに試練を与える会)という会を発足させ、ワタシの目標に待ったをかけ宣戦布告を仕掛けてきたのだ!会長と名乗る男は一体誰なのか?と一部で物議をかもしていた(笑)。これを受け、現状のままでは絶対ダメなので体力や身体のことに危機感を感じた私は1月の中旬から職場近くの県営のスポーツジムに通い始めていた。
エンデューロでレベルアップを志す人の間で体力作りがよく話題に上がるけど、効果の程は「竜さん」が実証済みだ。ワタシも目的はもちろん長時間走るエンデューロのための体力と筋力及び持続力アップのためだ。定期的に通うのは根気が要るけれど、目標があるからなんとか続けていけそうだ。

「レース前日」

 そんな私はお彼岸のお参りを済ませ、レース前日の土曜日、練習がてらオートポリスのオフロードAコースへ向かった。
最近はエンデューロチックなコースを走っていなかったから、明日のレースのために軽く肩慣らしで1時間ノンストップ走をして赤土や黒土の滑りやすい路面の走りに慣れておきたかったのだ。
コースに行くとファクトリーの「しゃっちょさん」が居て、あの独特の「アハハハハハーー♪」という笑い声がコースに響いていた。今日はファクトリーのコース開きが行われておりキング西原さんも来ていた。キングは試乗車のホンダの4ストモトクロッサー、CRF250Rがいたく気に入ったようでおもちゃ売り場に陳列してあるおもちゃをじーっと見つめる子供の様にCRFのそばからなかなか離れないのが印象的だった(笑)。CRFを試乗させてもらったりしてしゃっちょさんにお礼を言って午後4時半にオートポリスをあとにした私はミルクロード、やまなみハイウェイを走り午後5時半にレース会場のゴンドーシャロレー牧場に到着。直後にトライアルジャンキー(以下、寅雀くん)くんやかえる君たちも到着。辺りを見渡すとエントラントはまだボチボチしか集まってきていない。
木造の屋根のある場所にモンさんのRMXが置いてあるのを発見したのですぐそばにピットを設営して、ちょっと迷ったがRMXのタイヤ交換を済ませ、寅雀くんたちと黒川温泉に行った。温泉へかえる君の友達のピックアップに皆で乗り合わせて行ったのだが道中、道の悪いところがあり車がはねた瞬間頭を手すりにしこたまぶつけた。鈍い音が車内に響き
「うーーこれも試練か?」と頭をさすりながら妙に納得したのだった。すばらしい温泉を堪能して会場に戻ったわれわれは「寅雀君」の手製鍋料理をごちそうになった。寅雀くんごちそうさまでした!3月の下旬でだいぶ春らしい気候になってはきたがここは標高が高く夜になったら非常に寒い。寒くて間が持たないのでレース前夜としては珍しく午後10時半には就寝した。

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「会長現る!」

 朝目覚めると、ファイト先生と会長がワタシのトランポの周りをうろうろしている。
それに気づいたワタシはゴソゴソと毛布から抜け出し朝のご挨拶。
話をしていると会長は今日のレースのために秘密兵器を用意しているとの事、しかしそれから先は教えてくれない。
「いったいなんなんだろう・・・。」気になりながら夕べの鍋の残りで朝ごはんをいただき、レースのエントリー申し込みに行くと主催者の本田さんから「チャンプ狙っているんだってネ、阻止しようとしている人もいるみたいだから頑張ってね。」と爽やかに言われた。準備をしていると先ほど会長が話していた秘密兵器がやってきた。
一人目は現役のモトクロス国際
B級のF川さん。この方はワタシがたまに行く地元のMXコースで知り合いになった方で
バイクは
CRF250R。二人目は今年の阿蘇オープンEDをXLR250で走り、総合20位に入賞したO川さん。
元国際
B級のライダーでこちらが会長の知人のようだ。バイクはピカピカの
04‘KTM250EXC。
「おいおい、MX−IBだと!勘弁してくれよー。」こりゃ、優勝はおろか入賞も厳しいかな・・・?
お二人のバイクを見たり、CRFを試乗させてもらっていたらワタシのRMX−Rがとても貧弱かつ、ど鉄とプラスチックの塊に見えてくる
()。すぐその後に会長が今回のために用意したウェポン、
82’YZ125を見せにやってきた。
「おーい、たいちぇんくん、CRFばっかり乗らんで俺のバイクも試乗してくれよ!!リヤサスも今回のためにオーバーホールしてきたんだぜ。」
と見せてくれたリヤサスのリザーバータンクは普通の倍の長さはあろうかというくらい異様に長かった!しかし・・・まともに走るのか?ワタシが小学生の頃のモトクロッサーだ。
エンジンは
OHしていないようだったが走らせてみると意外と素直な乗り味。
昔の
125ccだからかなり半クラあてまくらないといけないけど、これはこれでなかなか楽しそう。
このバイクは88年式以前のモデルということで
「へんなバイクおまけ」でプラス1がつくのだ。
このバイクで参戦しようとする会長の「男気」と「遊び心」というか、冒険心に感心して、笑顔で会長を見送ったのだった。

「きんちょー!」


 そしていよいよレースは11:00にスタート。向こうに見える山では野焼きが行なわれていた。
最前列からのスタートなのだが緊張しまくっていた。初めてレースに出た頃くらい緊張していた。
というのも年間チャンプ獲得をぶちあげておいてへなちょこの走りだったらどうしよう・・・
みんなの視線が集まっているように感じるし、モトクロスのIBもいる。
やっぱ生身の人間だから心臓ドキドキ、緊張しないわけが無いのだ。しかし、ワタシだってなにもしてこなかったわけじゃない、食事に気をつかったりジムで筋力トレーニングしたり
(竜さんほどではないが)水泳したりして鍛えてきたじゃあないか。
もっと自分に自信持っていこう・・・と思った瞬間、主催者の本田さんが旗を振りレーススタート!


「信じる気持ち!」

 スタートのタイミングに少し遅れた私はバイクがスリップして横向きかけたが慌てず@コーナーを回って周囲を見渡した。
前には
5台ほどいて次のコーナーまでに2台抜いて前は国際B級コンビだ。
今回はスタートからゴールまで100
%で走ろうと思っていたので躊躇せずに追いかけた。
しばらく後ろを走っていたらコース中ほどにある下りストレートのガレた石のルート上で前二人のスピードが落ちた。
モトクロッサーは足が硬くてガレ場は苦手なのだ。
「ここで抜かなきゃ土の上になったらかなわん、置いていかれる。」と思い、右のさらに荒れた人の頭大の石がゴロゴロしたラインに突入、「男をみせたる〜〜!」
とばかりにアクセル開け開けで2人の前に出た!いつ抜き返されるかと思いながら(マイナス思考だ)必死に逃げる。
1周目をトップでチェックを受けて後ろを振り返るとゴール前の直角ターンの辺りにB級コンビを見つけたので、
また必死に逃げる。トップでチェックを受けるのはワタシのレース歴では初めてだしこんなレース展開も初めて。
かなりドキドキ!約30分くらい同じくらいの間隔で周回していたが、少し間隔が開いてきたようだったので少し安心して
「コケずに速く走る。」
と考えながら走っていた。
国際
B級コンビも強敵だがドライコンディションでの真の強敵はそう、
速いおじさんや子供「おまけライダー」なのだ。
今日はホコリが立たないくらいのベストコンディションでハイスピードな展開だし周回差もあまりつかないだろうから、
ここで安心していては駄目だ、もっとペースを上げて彼らをラップしないと・・・。
レース中何度か竜さんやなりれいさんのがよく引用するレースレポートのコメントが浮かんだ。
「努力は自分を決して裏切らない。」某塾長もよく使う「信じる心」だ。
そう、私は少し気が弱くて自分に自信がもてなくてマイナス思考になりがちなのだが、今はレース中!
俺はEDレーサーだ、なんぴとたりとも・・・と自分に強く言い聞かせた。


「はじめに体力ありき」

 スタートして一時間半ほど経過し鼻息荒く走っていると周回チェックの近くで会長を発見。すかさず抜きにかかるがなかなか抜けないので赤土の滑りやすいヘアピンコーナーの連続する区間で強引にインから刺した。するとタイヤが接触して二人ともバランスを崩しこけそうになった。会長はなにか叫んでいたが聞き取れなかった()
私のバイクもかなりキテいるがあの古いバイクであれだけの走りをするとは・・・会長おそるべし
(-_-;)
周回チェックを受けて
4駆コースを横切る付近で後方から4ストの排気音が迫ってきた。
「まさかCRF?」と思い振り返ると、マーシャルのK島さんだった。
K島さんはマーシャルだが、ワタシを試すかのように仕掛けてきたのだ
どうやらK島さんも
「試練を与える会」会員のようだ。やはり「これも試練なのか。」
しばらく競争して走っていたのですっかりペースを取り戻すことが出来た。
無転倒だったのでこのままゴールしようと思っていたらかえる君にあった。
彼は自転車トレーニングで体力アップしているらしく、レース中見かけた彼は以前のようなあごが上がり放心状態(失礼!)走りではなくしっかり気を抜かず走っていた。やっぱり体力は精神力と直結している。

「体力がないと気持ちで負ける」
とつくづく思った。
残り25分くらいで燃料が空になり、バイクが止まってしまいリザーブに切り替えていると一度抜いたモンさんに後ろから
抜かれた。ピットインして急いで燃料補給を済ませ再度コースインするとモンさんに追いついた。
しかしタイトなコーナーが連続する区間でモンさんを抜いた瞬間にフロントからスリップダウンしてコケてしまった。
あー無転倒でいきたかったなぁ〜。またモンさんに抜かれてしまう。その後しばらくモンさんを追いかけて後ろを走ったが、彼はRMXに慣れてきたのかいいライン取りをするのでなかなか抜けなかった。
走りはスムーズでXRでのライディングと全く同じであった。
再度モンさんを抜き返したところでチェッカーが振られレース終了。

たいちぇん33歳にして生まれて初めて最初から最後までトップで誰にも抜かれず走れたのでものすごく嬉しかった(^O^)/

「結果!」

おまけのついているライダーはほぼラップしたが、表彰式ではおまけライダーの小学生に優勝をさらわれて残念ながら2位となりました。ちなみに会長は古いバイクにもかかわらず6位入賞していました(スゴイ!)
悔しいけどこれがルール、次回は今回参戦しなかったおじさん強豪ライダーも走るだろうしまた頑張りたいと思います。