サバイバルin広島参戦記 〜マディはつらいよの巻〜   

画像提供 「うさぎとかめ」 三河屋工藤氏          たいちぇん記

待ちに待ったWONETシリーズ第2戦。暑さとの戦いのサバイバルin広島だ。
去年はガス欠で順位を落とし、自分のツメの甘さを思い知らされたレースだった。さて、レース1週間前くらいから週間天気予報では降水確率50%がずっと続いており、こりゃマディは確実だなーと思っていたらトドメを刺すかのように出発の土曜日の朝福岡は大雨。近所では側溝から雨水が溢れていた。ワタシは仕事柄、大雨洪水警報が出たら災害対策本部が設置され、電話で召集されるのだが丁重にお断り(?)して、レース会場の広島はテージャスランチに今回遠征に初同行の「三河屋工藤さん」と向かった。
途中一度サービスエリアで休憩して一気にひた走り午後3時に会場到着。先に着いていたぷく僧を発見「一人で立てた。」と言う「KTMテント」の横にトランポをとめ、ピットを設営。気になる天気の方は回復してきてテージャスの大地は急速に乾いてきているようだった。その後すぐになりれいさん、ツインズ兄弟、塾長ご一行も到着して、「コース下見に行くぞ〜。」と塾長の号令で九州男塾のメンバー+@で大名行列状態での下見。森の中はしっかり湿っており、下り坂はこけそうになった。ゆっくり時間をかけて下見をしたおかげでとてもライン取りの参考になった。森の中の登りで何処のラインが一番楽かな〜と思案していたら、「ふみねこのみやたさん」「貴方はここより降りたらいかん。」となぜか難しそうなラインを勧められた(笑)

写真左:人工のステアケースの上。大名行列状態の下見。トップ雁さんとワタシ。
写真中央:滑り落ちそうなショートカットの下り。実は歩いて降りるほうが大変?!助Pはにっこり。
写真右:森の中で平行移動出来る男ラインを思案中・・・上れるのか?

さてびっしょりと汗かいた下見も済ませてランタンに火をつけ、宴会の準備だ。準備していたらすぐ横にトランポをとめている「北エンで試練を与える会の会長」「ゴーヤチャンプルー」をご馳走してくれた(^o^)久しぶりにコックさんをすると言うが、なかなか美味しかったですよ、会長。日は暮れ宴会は進み腹も満たされた頃、さとちゃんの運転でぷくぷく団のみんなと温泉に出かけた。行きの車中では酔いの回ったぷく僧のワンマンショーで大騒ぎであった。たに君がU山U太郎選手に教えてもらったという温泉が分からず、104で調べて隣の隣町の温泉に滑り込みセーフ。昼の汗を流し爽やかになったところで会場に戻り四国は香川からエントリーの「P−1 ED」のみなさんと飲んだ。久しぶりにお友達の「ぶんさん・妙さん」とも再会出来、楽しいひと時を午前2時まで過ごしすぎてしまい慌てて就寝した。

写真左:ナリレイさんのWRを囲み談笑する左からナリレイさん、かわーちさん、師匠、熊森!さんボディクラフトさん。
写真右:いつもワタシに試練を与えてくれるオレンジのオーバーオールがお似合いの「会長」とそのお友達。

午前7時。周囲の話声で目が覚めた。なんとなく夕べの酒が抜けきらないような感じでボーっとする。
ふと外を見渡すと三河屋工藤さんはテントでお休み中だった。夕べから降り続いた雨はまだ降っており、今日のレースが思いやられるなあ〜(>_<)もそもそと起きだしてお隣の「なりれいさんmitiさん」に朝のご挨拶。眠いよ〜。

写真左:ウェアー類の出店アリ!格安でウェアー上下とグローブゲットしました(^O^)/
写真中央:掘り出し物を物色する三河屋工藤さん。掘り出し物はあったかな?
写真右:スタート前のワタシ。さあいくでぇ〜〜!

早めにレース準備を進め、タイヤの空気圧はF:0.7kpa、R:0.3kpaにセット。ピットにはラジエター補給用の水2L、軍手3セット、替えゴーグル、予備キャメルバックを用意。ライダーズミーティングでは主催者が「晴れの設定で作ったコースなので、渋滞したらみんなで助け合いながら進んでください。周回出来ないからといって苦情は言わないように。」と言う説明でコースの状況は察しがついた(笑)。レースは10時に広サバ名物横一列スタートで幕を開けた。191台が一斉に斜面の右コーナーを目指していく。ワタシが1コーナーに飛び込んだ時には前に50台くらいいたかな、無理せず列の中で山の斜面をターンして走っていく。比較的広いエリアで何台か抜きピットそばの距離30〜40m、斜度40度近いヒルクライムに差し掛かった。下見したときはなんだか目でやられたがなんてことはなかった。しかしその先の人工的に作られたステアの手前でエンスト、キックを踏むがキックアームがギア抜け起こしたか空回りしてなかなかエンジンが掛からずにツインズ兄弟やらたくさんのライダーにパスされる。気を取り直し走り出す。周回チェックの手前にあった近道の2m位のステアケースでは助走スピードが足らずついついバイクを投げた。2周目に入る時点で空手家から12位くらいだと聞かされてピットストップせず進むが森の中で渋滞に遭った。昨日の下見で「ふみねこのみやたさん」に勧められた難しそうなラインをいくがキャンバー斜面でアクセル開けすぎリヤが滑り落ち失敗。近くでツインズ弟もウゴウゴしておりどんなラインで行くのか確認してちゃっかりそのラインでついていった。しばらく後ろを走っていたがまたウッズで失敗して見失ってしまった。ウッズの中は風が通らず非常に熱い!リカバリーで体力消耗が激しくどっと汗が吹き出して体温も上昇、一気に心拍数が上がり思わずヘルメットを脱ぎ休憩してしまった(>_<)休憩中に緑色の外装を纏ったパンペーラを見た。一瞬俺疲れているのかなーKDX125かと思ったほどカワサキバイクに見えた。しかしこりゃ暑いのときついのでたまらん、「もうレース諦めようかな・・・。」
なんて考えた(>_<)けど、それをするとずっと笑いものになりそうでイヤなのでいけそうなラインを見つけて脱出。
テージャス山の上で爽やかな空気を吸ったときは生き返った気分だった。


写真左上:名物一斉スタート!191台が山の斜面の1コーナー目掛けて突っ込んでいきます。
写真上中央:ヘロヘロになりながら走る私。
写真右上:ウッズ登りの入り口。いつもこんな感じで渋滞してました(>_<)

写真左下:ピースサインを出す余裕があるヒューヒュー熊森!さん
写真下中央:京都のお〜のさん。とてもクレバーかつ確実な走りで8位入賞!今度鍛えてください(^^;)

写真右下:修行仲間のナリレイさん。クラッチトラブル残念でしたが20位でポイントゲット!また修行しよう。

3周目前にピットイン、たまらずペットボトルの水を身体にかけクールダウン。燃料補給してスタート。3周目に「ふみねこのみやたさん」を発見。オススメのライン登れませんでしたよぉ〜と思いながらしずしずとその先まで進むとコースが二手に分かれたところで渋滞している。左は完全に詰まっている様子、それで右のラインを見るとどっかで見たことあるシュラウドに星マークの入ったKTMがラインが空くのを待っている。マジマジと覗き込むと「お〜のさん」だった。「すいません先に逝かせて!」と懇願すると、「いいよ・・・いややっぱりダメ!」と笑顔で返事が返ってきた。まあレース中だからあたりまえか。逝きたくても逝けない状況の中、お〜のさんが登ったのを見届けてすぐ追いかけたがまたまた見失った(+_+)そして、途中から電動ファンが回転しなくなりついに森の中でラジエターが噴いた。キックアームもおかしいし「こりゃ無理は出来ない!確実に走ろう。」と思い、レースのポイントを難所に重点をおき「なるべくこけないミスしないエンジン止めない」と決めて万年沼や嵌りやすいウッズではよくラインを見定めて走るように心がけるようにした。スタートして2時間過ぎた頃から走っているライダーが減って、走りやすくなっていた。しかし雨の影響は残っていてあちらこちらで沼でしっかりワダチに極められた人、バイクの傍らで休む人、はたまたクラッチが逝ったのかバイクを放置プレイの人を見かけた。こちらは壊さない無理しないに切り替えて走っているので(ただ遅いだけ!)ラジエターの水の心配以外は何もない。下り坂はスリッピーで怖かったが登りはワダチが掘れていても比較的グリップがよくて1速ゼロ発進も大丈夫だった。それと低車高仕様のおかげでバイクに身体が置いていかれそうになってもシートの後端に座っても足が届くのは平均的身長のワタシにはありがたかった。こんな時昨日の下見と今までの周回で得た情報が効いてそれからはあまり嵌らず周回を重ねた。しかし周回チェック手前の登りで低車高が災いしたか、ガッシリ嵌った。脱出を試みるもびくともしない。困っていたらタイダウン持ってウロウロする人を発見、「助けて光線」を発射しまくりめでたく脱出出来た。が、登りでアクセル開けすぎたのか6周目終えた時点でラジエターの水が空っぽに近く、ディーゼリング現象を起こしたのでまたまたピットイン。ZIMてふがラジエターキャップを恐る恐る外すと水はほとんど入っていなかった(アブね〜〜)去年の美和はコレが原因でエンジンを焼きつかせ押してゴールしたことがあるので行くべきか止めるべきか迷ったがここでレースを止めてしまうのはとても悔しい。ラスト1周無理せずに回ると決めてZIMてふがラジエターの水を補給してくれ、ぷくAさん、ぷく僧、三河屋工藤さんもピット作業を行なってくれた。ぷく僧はスタート直後XRに激突され、あえなくリタイアと悲しい結果になってしまっていた。ピットを出るとピットそばのヒルクライムの辺りで、EAさん かわーちさんの宮崎コンビも観戦モードに・・・。最後の1周はあれだけいた台数が減っていてコース内はホント閑散とした状態だった。

写真左:塾長。惜しくもリタイアとなってしまいました・・・。
写真中央:めでたく優勝のNR王子。
写真右:パンペーラを駆る15位入賞のボディクラフトさん(タカキR所属)。今回やられました!

最後に面白い展開が待っていた。湿地帯から牧草地に出たところで、ヨレヨレになって走っていると赤ゼッケンのKTMが抜いていった!ヘルメットの中の顔が笑っている!あー!またお〜のさんだ!お〜のさんの笑った顔を見たらシオシオになっていたハートに火がつき追いかけた(なんでそのスピードが最初から出せないのか)。テージャス山の手前の牧草地でお〜のさんのインを突き前に出てスピードを上げたらあら左コーナー・・・かなりオーバーランになりながらコーナーをクリアー、テージャス山を登ったところで振り返ったらお〜のさんは着いてこない(ここですでにゆっくり走ろうと決めたことは忘れていた)。mitiさんもカメラ構えているしカッコよくこのまま逃げ切り・・・最後の左にターンしながらの登りでスタック車多数いて、ワダチの上からアプローチして脱出を図るが前走車がもたもたしているうちにお〜のさんが追いついてきて、一旦下に降りて直登でクリアーしていった。ワダチに頼った私と新しいラインを走破する「引き出し」をワタシよりもより多く持っているお〜のさん。彼のほうが一枚役者が上でした(*_*)決着はついた・・・というか、実はこの時点ですでにお〜のさんにラップされていたのだった(悲)。そのときは同一周回かもしれないと思っていたので必死に追いかけるも7周でゴール。4時間のとても過酷なレースが終わった。ピットに戻るとかなりの台数がリタイアした模様だった。優勝はNR王子、2位に博田選手、3位にゲストの鈴木健二選手(ヤマハMXの監督で現役IAライダー)で、NR王子はWONET戦嬉しい初優勝でいつもノーリアクションと言われる彼も笑顔だった。ワタシの結果は17位ということでいまいち中途半端な結果に終わってしまったが、今までバイクを壊すこと多かった広島のレースしかも最悪のコンディションでマトモに完走したのでまあヨシとするか・・・。帰りは疲れからかテンション下がりまくりで2人静かに帰宅。帰りの車中では今回レースに同行してくれた三河屋工藤さん曰く「あのコースじゃ、俺は1周も出来ないだろうな〜。」と今日のレースに自分を重ね合わせていたようだったので、修行バイク買って練習することを強く勧めた(笑)みなさんお疲れさまでした。次回は笛太郎かグリーンバレーでお会いしましょう。