爽やか阿蘇オープンエンデューロ   カエル記

1月11日(日)
「かえる」はついに阿蘇オープンに行ってきました。
前々から「出てみたい」とは思いながらも、あまりに寒そうなので躊躇していました。
そんな所にタイチェンさんから「迷わず逝けよ、逝けば解るさ」(byアントニオ○木)という
力強い後押しを頂き、エントリーしたのであります。

前日仕事だった僕は7時ころ帰宅しばたばたと準備して、トラジャンさん・Rさんとの待ち合わせの北熊本サービスエリアに向かいました。約束の時間の9時ちょうどに到着しましたが、
トラジャンさんたちはまだ来ていません、電話してみたところ後20分くらいで着くとの事です。待ちに入って辺りを見渡すとトランポっぽい車があります、覗き込んでみると今回マーシャルをされていたコジマさんでした。会釈してわかれて、しばらくするとトラジャンさん・Rさんが到着したので晩御飯です。近頃イシムラさんの「たっちゃんのホームページ」に影響されている僕は「レースの前には糖質を取らなければ!・・でも肉も食いたいな」という事で「桜焼肉と蕎麦定食」を食べました(この時初めて桜肉というのが馬の肉である事を知りました)。
満腹になったところで会場目指して出発です、途中迷う事も無く夜11時半ころに御所オートランドに到着しました。会場には沢山の車が止まっていましたが、ほとんどの人がもう寝ているようでした。タイチェンさんに連絡を取り、寝床の準備を済ませて、なりれいさんの所の宴会に混ぜてもらいました。みなさん結構早くから飲んでいらっしゃったのか、とても盛り上がっています。負けないように梅酒をのんで楽しい夜は更けていきました。いつもは11時ころには寝ているのに、この日は1時過ぎまで起きていたような・・・・

いよいよ当日の朝になりました、前日の夜更かしか祟ってなかなか目が覚めません。
7時半ころやっと起きて準備を始めます。まずは前日の宴会の時になりれいさんに教わった「WRのホースの処理」をやります。WRはキャブから5本くらいホースがスイングアームの付け根辺りから下に垂れているのですが、このうちの2本が水を吸うらしく、おまけに水を吸ったらエンジンがかからなくなってしまうという事なのです!その2本のホースをエアクリーナーボックスの中に入れます。後もうひとつは燃料タンクのキャップから出ているホースも、
そのままでは泥が詰まってしまうという事なので、カッターで縦に切れ目を入れました。
宴会のときになりれい師匠曰く(眉毛を上下にぐいぐい動かしながら)「WRの事なら何でもきいてくれぃ」との事でしたので今後ともよろしくお願いいたします。

そんなこんなでのろのろと着替えているとライダースミーティングが始まりました。
準備を済ませて途中から話を聞きますが、いまいちピンときません、要するに「怪我無く楽しく走りましょう」といった事だったような気がします。
そしていよいよスタートです。ここ最近出たレースでは「コースの難易度の高さに精神的にやられて一時間以上チェッカー待ち」(トライED)や、「激渋滞に目でやられてやる気喪失、行
ってみたら何て事無くて大後悔」(バンディットサムライin茜)等、精神面の弱さが目立っていましたので、今回の目標は「あきらめずに最後まで走りきる!」です。
具体的な数字の無い目標なのであまり意味は無いのかな?
僕のゼッケンは74番なので7列目?だったのかな?同じ列にはトラジャンさん、グレイさん、たにさん、「ふみねこ」のみやたさんがいらっしゃいます。前のほうから十台づつスタートしていきます。久しぶりの緊張感です。この日のコースの状況は埃の立つほどのドライコンディションです、こんな御所オートランド見たことも聞いた事もありません。

そしていよいよスタートです。
出だしは横十台の中で真ん中辺りでしたが、コーナー一個曲がってテーブルトップについたころには、横にトラジャンさんが居るだけで後ろには誰も居ません。
まぁ、自分にスピードが無いのは解り切っている事です、マイペースでモトクロスコースを走ります。そして、トラジャンさんと抜きつ抜かれつ走りつつ、牧草地帯に入ります。
ちなみに僕の乗っているバイクはとっても新しいWR250Fですが、トラジャンさんはとっても古いトライアルバイクです。ここまで何故か二人のペースはあまり変わりません。
やはりバイクは腕ですね。牧草地帯に入ると後ろでスタートした人たちが追いついてきました。そうなると必然的に僕らが先頭集団になりますね?相当あせる状況です。いっぱいいっぱいになった僕はかなりのスピードで前輪と後輪を別々の轍に取られてバイクはスリップ
ダウン、人間は前方に飛んで逝きました。激しく頭を打ってくらくらします。
「どっこらせ」とバイクを起こして一人旅です。しばらくするとさっきの転倒で見失ったトライアルバイクに追いつきました。またもや二人でのろのろと走ってスタックする事も無く川に到着です。かなり手ごわいと聞いていましたのでびびりながら川に入りますが、どうした事でしょう?レースの一週間前に走ったK武に比べれば全然大した事はありません。
周りを見ると苦労している人が結構居ます。目の前に居た黄色のバイクに乗った人も苦労しているようでアクセルをガバガバ開けているのですが、タイヤが空転するばかりでしぶきがとても冷たかったです。その黄色の人がどいたので、「俺がええ格好出来るのはここし
かないっ!」とばかりにゴリゴリ走ります。川では何人も抜きました。が、その後は最高に苦手とする林道区間です。何人にも抜かれました。
林道が終わるとちょっとしたウッズがあって下り坂です、片方は直行の近道ですがキャンバーが付いています。とりあえず遠回りのつづらを下ります、二週目には近道を行ってみたのですが、見事にキャンバーの罠に嵌ってコースアウトしそうになりましたので、二週目以外は全部つづらを下りました。それが終わると今度は沢です。沢に入りかけたところ、前で一人スタックしていたのでマーシャルのコジマさんに別のラインを教えてもらい、そちらに行ったのですが路面が柔らかくて危うくスタックするところでした。前を見るとDRZ400の人が轍にズッポリ嵌っています。一人で抜けるのはぱっと見無理っぽかったので、その人の脱出の手伝いをしました。その人は長崎から来た人で「DRZは重さが堪える〜、こんな事ならセローにしとけばよかったですよ」と息を切らせて言いながら「休憩します」とのことでしたので僕は先へと進みます。不謹慎ですが自分よりも苦労している人が居ると嬉しいです。
その先も牧草地帯で路面も景色もこの間のトライエンデューロにそっくりです。
そんな感じで一周目が終わり、ピットインして時計を見ると時間と少し経っていました。
「このペースで行けば四周は出来るな」と一服しながら皮算用し、周回を重ねます。
コース終盤に赤土で二本轍のある緩やかな坂があったのですが、三周目には右を選んで嵌りました。四周目は「さっき右で嵌ったから、ここは左やね」と迷わず左の轍に突入したところ、再び嵌りました。右のラインはスムーズに流れています。なんとも切ない瞬間でした。

四周目が終わって時計を見ると残りは40分足らずです、どう考えても自分のペースでは帰ってこれる時間ではありません。お腹もすいていたので売店でうどんとコロッケを食べてチェッカー待ちをする事にしました。トラジャンさんは二周で前後サスが抜けたそうで、早々にピットで待っていたようです。食事が終わって十分ほどでチェッカーを受けて、初めての阿蘇
オープンは終わりました。
天候にも恵まれトラブルもなく、とても楽しい爽やか阿蘇オープンエンデューロでした。